アルミリサイクルの実状 Thực trang của việc tái chế Nhôm

 26/06/2009 

 

アルミリサイクルの実状

◇資料説明

1993年の資料(『リサイクル文化』38号の特集)提示より
リサイクルが本格化し始めた走りの時期。そしてアルミ缶のリサイクルがブームになり始めたときでもある。その時期から既にリサイクルについて問題を指摘する声,異議を唱える声があった。しかし指摘された問題点は解消されるないままリサイクルは進み,そのまま今日も変わらず問題を抱えている状態。8年前の資料ではあるが問題点は変わっていない。

細川:アルミのリサイクルについて全面否定はしないが,環境配慮の根本的な問題解決にはなっていない。

◇アルミの利点と問題点

◆アルミの利点
・薄く伸ばせる ・丈夫 ・外部からの力による復元力がある ・軽い ・安い

アルミ缶とスチール缶(ビールが入っていて落として缶がへこんだと仮定)

『アルミ缶の場合』
缶がへこんでも,復元力がそもそも 備わっているので,又元に戻る。

『スチール缶の場合』
缶がへこむとスチールは固いため元に戻ることはなく,それによって内圧が上がり一番もろい飲み口から吹き出す。

便利で経済的にも流通的にも申し分なし。アルミ缶は運搬中も破損する事がほとんどない。

◆アルミの問題点
安全性において疑問あり。人体に有毒なアルミイオンが溶けだすのではないか。アルツハイマー病の要因の可能性を持っている。また原料のボーキサイトを採掘する段階,中間原料のアルミナを精製する段階で,公害をもたらしている。

◇アルミ缶の構成について

ボディーの部分(缶の側面部分)はアルミ+マンガン+(マグネシウム)+(銅)からなり,トップの部分(缶の上下部分)はアルミ+マグネシウム+(マンガン)+(銅)からなる。つまり,ボディーとトップで構成比が違う

 ボディー部分は,へこんでも復元力で戻りやすいように薄く作られている。
 トップ部分は積み上げたりできるように少し固めに作られている。

◆具体的構成比
資料:辻 芳徳『「アルミ缶からアルミ缶ができる」は本当か』(1995)より

 

Mn(マンガン)

Mg(マグネシウム)

Al(アルミニウム)

合計

トップエンド

0.35%

4.5%

95.15%

100%

ボディ

1.25%

1.05%

97.7%

100%

溶融アルミ

1.0205%

1.9125%

97.0625%

100%

◇アルミのリサイクル後

アルミ缶をリサイクルする際,トップとボディーを分けず,そのまま溶かす。
上記の表を見ても分かるが,溶融アルミはトップともボディーとも比率が違うものができている。よってアルミ缶に再び作り直すのはそのままでは困難。

◆アルミ缶のリサイクル後は・・・
 ・車のエンジン部分 ・アルミ鍋 ・製鉄の際に必要な脱酸素剤 など
 アルミの純度が悪くても使えるもの「鋳物」に作り替えられていた。

◆アルミのリサイクルの流れ

資源(ボーキサイト)→ アルミ → アルミ缶 ←→ リサイクル → 他の用途(「リサイクル」からアルミ缶に帰る矢印が本来的「リサイクル」である)

アルミ缶がリサイクルによって再びアルミ缶になっていれば,(赤矢印ができていれば)リサイクルはうまくできていると言えるだろう。しかし実際はリサイクル後は違う他のものになっている。これはペットボトルのリサイクルについても同じ。(ペットボトルはリサイクルの後,プランターや化学繊維の服になっている。)リサイクルの輪はうまく回っていないから本当のリサイクルとは言い難い。

◆ 今と昔のアルミリサイクルの変化
昔(1980年代)・・・20%しかアルミ缶にリサイクルされていない。残りの80%は鋳物等。
今・・・70%がアルミ缶にリサイクルされている。←数字,本当かどうか怪しい。最新の機器を使えば可能かもしれないが,1995年のアルミ缶へのリサイクル平均は45%。
今の技術では,100%,つまり完全にアルミ缶からアルミ缶を作り出すことは出来ない。結局,新地金の補充を必要とする。
 

◇企業の目標「CAN TO CAN」~缶から缶へ~

◆どうにか一度使われたアルミ缶から再びアルミ缶を作り出せないか(企業の取り組み)

アルミ缶を作るためには純度の高いアルミが必要。しかしリサイクルに回される一度使われたアルミ缶にはアルミだけでなく,マグネシウムやマンガンも含まれている。そのためリサイクルして又アルミ缶にするには技術的にかなり無理が生じる。
実際にどのように作り直されているか企業からの情報が少ない。

◆実際の「CAN TO CAN」技術
・不純物の除去

除去するために必要なもの・・・塩素
塩素は現代の科学文明における鬼っ子のようなもの。便利だが,最大の汚染物質。短期,長期的に毒性を現す。塩素ガス,ダイオキシンの発生の問題も関わってくる。
しかし,これにかわる技術が今のところない。

・薄める

古いアルミに新しいアルミを入れてマグネシウムとマンガンの比率を下げ,そうしてから用途に応じてマグネシウムやマンガンを足す。

一度まとめて溶かす。そしてそこに新しいアルミを入れてマグネシウムとマンガンの比率を下げる(薄める)。そうしてから用途に応じてマグネシウムやマンガンを足す。しかし,これには新しいアルミが必要。結局リサイクルの輪は回っていない。アルミ缶の消費量が増えれば,自動的にバージンアルミのリサイクルへの投入も増える。
本来のリサイクルの目的は,
資源を守る,環境を汚さない,ゴミを出さない,などであったのにこのリサイクルシステムが出来上がって,かつアルミ缶の消費量が増えつづければ逆効果。どんどん新しいアルミ資源は投入され,アルミの精製やアルミ缶を再生する際にゴミも出る。私たちはアルミ缶について,アルミ缶の回収→リサイクル→アルミ缶,という部分しか見ていない。しかし工業文明は,天然資源から廃棄に至る一連の流れ。全体を見なければいけない。

◇プリントより

アルミのたどる道の図

◆プリント記載の素材名

  • ボーキサイト・・・アルミの原料の鉱物。地表に近い土の中に含まれている。他の鉱物と違って深く掘ったりせずに表面を削っていく。広範囲の面積を削るため,それに伴う環境破壊の面積も広い。

  • レッドケーキ→ボーキサイトを製錬するときに出てくるヘドロ状の廃棄物。捨てるしかない。

  • アルミナ・・・酸化アルミニウム。昔はこれを輸入して国内で精錬し,アルミを作っていた。今は電気の安い海外でやっている。

  • フッ化水素→アルミナを精錬するときに出てくる。猛毒。

  • 新地金・・・精錬されたアルミ。現在では新地金を輸入。フィリピンやインドネシア等から。

  • 再生地金・・・リサイクルされたアルミ。純度低い。

  • ドロス→再生地金を溶融する際に出てくる汚泥。

  • ジュラルミン・・・とても丈夫で長年使われる。飛行機のボディー等。

◆ボーキサイトからアルミナへの精錬過程での問題点

・ 塩問題

アルミナへの精錬にはNaOH(苛性ソーダ)が必要。そしてそのNaOHを作るためには大量のNaCl(塩)が必要。精錬会社はアルミを作るために「塩田」を持っている。アルミの消費量が増えれば工場塩の需要も増大→塩田拡大(ほとんど海外)
塩田を作るために,現地の環境を破壊する。
例)メキシコの太平洋岸で三菱が製塩工場を三倍に拡大
 (実際にはメキシコ政府によって許可が取り消された)
 拡大場所には鯨の生息域がすぐ近くにあった。メキシコ政府が定めた保護地区のそば。

・ 塩素問題

塩(NaCl)からNaOHを作ると,塩素(Cl)が残る。そのままだと有毒物質。
残った塩素の利用法は,重油からガソリンへ精製する際に副産物として
「ナフサ」が出てくる。そのナフサと塩素を化合させて,塩化ビニールを作る。塩化ビニールは,ダイオキシン問題などがある有毒物質。
アルミナへ精錬する際に出てくるゴミ(塩素)と,ガソリンへ精製する際に出てくるゴミ(ナフサ)を使って役立つもの(塩化ビニール)が出来上がる。
→ 合理的にできているという認識 → 塩化ビニールの生産量の増大
それぞれの行程から出てくる廃棄物が問題となってくる。

◆ アルミナから新地金への精錬過程での問題点

・電力問題

アルミナから新地金にする際,膨大な電力がいる。日本ではその電力や労働力が高いため,海外で新地金が作られる様になった。フィリピンやインドネシアで主に作られるが,地元にはたくさんの電力はない。
どうするか?・・・ODAを使ってダムを造る。ダムでの水力発電で最も安価で大量の電力を得られる。作られた電力は地元住民に回されず,アルミナ精錬の為に使われる。ODAで作ったダムの地元では今も電気が通っていないところがある。

・廃棄物問題

これはアルミナの製錬でも同じことだが,新地金の精錬の際も廃棄物問題が起こる。処理の仕様がないものなどがあり,これらの問題が海外で起こり,私たちに見えてこない。

◆アルミ缶について

高純度のアルミを用いている。しかも他の用途のものと異なり,アルミ缶は一度使ったら捨てられる,ゴミになるのが前提の物。非常に品質のいい材料でゴミを作っているようなもの。

◇アルミ缶リサイクルは節約か

アルミナから新地金にするときに必要な電力より,少ない電力でリサイクルできる。
3%で済むという発表もあるが,アルミ缶の回収や輸送,洗浄,純度を高める行程などの電力やその他のエネルギーが含まれていない。それらを総合して見てみると結局は40余%ぐらいになると見られる。

◆今後の展望

  • ガソリン・・・消費量減らせる。→燃料電池の発達によるガソリン車の衰退。大型自動車のみがガソリンを使うようになるのではないか。

  • 塩化ビニール・・・消費量減らせる。→近年のダイオキシン問題で使わない/作らない傾向にある。

  • アルミ缶・・・上記の二つの消費量が減れば,同じように減る傾向に転じるであろう。

◇アルミ缶の本当の問題点

◆細川先生,手持ち資料より

リサイクルの現場を熟知した桑垣 豊さんの言葉
(アルミリサイクルについて子ども向けにわかりやすく説明した冊子より)

Q,ジュースを飲み終わって目の前にアルミ缶が残っている。どうしたらいいか?
A,手遅れです。『アルミ缶を使う』ということ自体がダメ。『アルミ缶を使わない』ということが正解。初めから使い捨て容器を使わない。『アルミを使わない』ということ。
しかし,作る側にしてみると・・・アルミは使ってもらわないと困る!
アルミ缶を作らないことは,ガソリンや塩化ビニールを作ることに直接影響が出てくるから。

細川:これだけさかのぼって捉えて見ているのは「アルミ缶を使うことは,これだけさかのぼって変えないといけないから無理」と言いたいのではなく,そのことによって「アルミ缶やガソリンや塩化ビニールを使わない文明にする」というところまで考えていきたい。

◆リサイクルと同時に
アルミ缶の需要が増え,リサイクルがされればされるほど,新地金の投入も増える。廃棄物の量も増える。逆効果。アルミ缶のリサイクルと同時に
・アルミ缶の消費量を減らす。 ・アルミ缶を使わなくてもいい所にはなるべく使わない。

◇循環の履き違え

プリントより,図の説明。

本来の循環は廃棄物がそのまま資源に繋がってくることを指す。
アルミ缶などのリサイクルにおいては,消費されたのを「再資源化」してもう一度使うことで,循環していると言われるが,
それは新たなゴミを作りながら成り立っている。本当の循環ではない。「再資源化」を否定しているのでなく,これが根元的な解決にはなっていないと言うことを踏まえないといけない。

◇まとめ

◆アルミ缶リサイクルの捉え方

  • 私たち消費者が狭い範囲(アルミ缶のみ等)でしか見ていない。

  • アルミ缶が工業文明全体において,ガソリンや塩化ビニールと共に複雑に絡み合っている。ということを十分に踏まえること。

  • アルミを作ると言うことは工業的に言えば,アルミだけでなくガソリンや塩化ビニールを作るということになっている。ゴミで役立つモノが出来上がる(メーカーにとって)「都合のいいシステム」であり,これが戦後日本の経済システムを発達させてきた。
    アルミ缶だけを見るのではなく,全体を見ないと何も変わらない!

◆循環の捉え方
自然界の循環をちゃんと理解する。アルミ缶などのリサイクルが「再資源化」によって循環していると捉えない。人間や他の生き物が自然界の循環の中で生きてこられた意味を考える。
自然で循環出来ないものを「再資源化」で補うのはいいが,それがメインになってはいけない。

このページについて

京都精華大学 環境社会学科の講義「環境と文明 II」(担当:細川弘明)の学生のノートテイクとレジュメを公開しています。環境社会学科でこの他にWeb公開をしている講義はこちら

http://www.kyoto-seika.ac.jp/hosokawk/class/2001/env_cul_2/note_05.html

 
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